顔なしのひと/恋月 ぴの
 
ひとりで生きられる
生きられない

それとも、ひとりで生きざるを得ない

わたしってどれなんだろうね




無責任ってわけじゃないけど
ちょうど
満員電車のなかで誰かに寄りかかってしまうような
仕方ないじゃんと思っているところがあって

大人らしさを自覚しなくちゃなんて
朝起きる度に思うのだけど

何かしら困りごとが起こる度
誰彼となく手助けを求めていたりする

それでも喉元過ぎれば知らん顔

我ながら身勝手すぎるとは思うのだけど




頭の禿げあがった男のひと
意外に家事とか苦にしないようで

塵ひとつ落ちてない片付けられた部
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