人生の酒  /不老産兄弟
 
よく晴れた休日の朝は早起きしよう
カーテンから漏れるあたたかな日差しを肩にうけ
少し濃い目の
コーヒーでも飲みながら
酒を飲んでいると
昼過ぎくらいにはもう
べろんべろん
なぜかテレビが面白い
しばらく昼寝でもするかな

三時過ぎに今日で会社をクビになった親父が帰ってきて
これで最後と淋しそうに
作業着を脱ぎながら
パンツをはいていたので
酒をすすめたのだが
人生の純米吟醸をいやというほど味わってきたからとかなんとか
わけのわからない理由で今日はやめておくと断られた

その夜母親は同情して
伊勢海老を買いながら
牛丼を食っていると
俺は好きな子から
突然デートに誘われた
あんなに飲まなきゃよかったな
行きたい気持ちは山々だが
頭痛がイタい

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