俳句・習作 2/壮佑
樹木
山桃の実のぶつぶつの舌触り
葛のつる川土手の樹を緊縛す
炎天や犬の尿に樹木立つ
昼の樹の葉叢の奥の星の夜
窓を叩き梢が夜を連れてきた
真夜中に性夢を覗く樹木かな
直立する銀河の星に樹木あり
海・岸壁・漁村
ずぶ濡れのダークマターの岸辺かな
風吹けば千変万化の海の皮膚
岸壁は地球の海を堰き止める
岸壁の童子かわはぎ釣りにけり
きらきらと細魚釣られて白き手に
蝉の島ふりちんの童子泣き歩く
干し蛸や陽光に透く股七つ
干し蛸や漁村は火
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