おしまいの区切り/Wasabi
 
きょう、
もう わたしは
倒れてしまった


独り歩きつかれて
のどもカラカラ渇いて
バタンと前のめりに
倒れてしまった



すると
背後から
男に捕まってしまった

抵抗する力も余っていないくらいに
わたしは もう 捕まってしまった


入ってくると 涙がこぼれる


それはもう安心や安堵だったかもしれないし
残念な悔し涙だったし
かつての恋人を想う涙でもあったし

もう私は
この知らない男にも負けたのかも
しれないし
自分をあきらめたのかもしれなかった


これは 不本意なようで
ずっと探していたもののようでもあった


涙が渇いた頃には
腕まくらされたまま
笑顔でトークする
別の自分がいた


それを

おんな と呼ぶのか


遠くにいる誰かは 
知っているようだった






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