鋒鋩/瀬崎 虎彦
 
片目を閉じ
肌のうえを滑る水滴に
全神経を集中させると
夜の広がりがわたしのうちに
入り込んでくる
そしてもう内も外もなくなり
空洞のようでいて
そうではない夜の黒い底が
わたしと一枚岩になる
もはや両目を閉じており
しかし見開いたとしても
なにものも認めることは出来ない

わたしは夜に囲まれている
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