祈りの船/サイン・アウト/茶殻
いる
あのOLの香水の香りを細胞ひとつひとつに含んで
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バラ色はくたびれるんだよ、と白か黒かを選びながら
ピンクの門をノックして
なんだわかってんじゃん
終点は始点となり
ルージュを剥いだ唇に中指を押し付ける
枝毛の先に咲く花で占いをしよう
車体に散る
赤い花と記号めいた独白
生命のドレスコードは祈りをまとい
走り出す灰色の壁 その船(自動ドアを自慢げに開ける車掌の眼鏡)
麻雀をはじめれば
知らず、誰かの義手を握っている、誰のものなのか
やけに深爪である
僕は知っている、それには神経が通っていないこと
軽やかな拍手の音は生まれないこと
砂の船は洗われて
あばらの鉄檻が波に揺れる
妙なウイルスにかかった
オーバーホールを望む
手を丸めて僕は深く眠る
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