ただ、ここに居る/kauzak
 
この海岸に来るのは久しぶり

君は言う

砕けた貝殻が打ち寄せられてできた海岸は
真っ白で清潔で一枚の絵のようで

だからこそ居心地が悪くて

けれどそんなところを君は気に入っている

青い空はまるで無意味で
打ち寄せる波も無意味で

自然に意味があったことなどあるのだろうか

空も波もただそこにある

意味が現れるのは関係がある間にのみ
それも僕らが
おこがましくも自然の中に見出すがゆえで

ここに君が居ることにも意味はない

ここに来たことに君は意味を見出すかもしれないけれど
君は君という存在としてここに居るだけなのだ

いつから僕らは
ただ存在することに耐えられなくなったのだろう
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