★117 アノヒ、アノトキ…/貴水 水海
 
僕はどうしようもないほど

危なっかしくて

何も信じられなかった


お金も名誉もない

詩人とも言えない

ただ

詩を書くのが好きなだけの僕が

信じていたのは

君だけだった


冷たい視線

真っ暗な部屋

ただ

毎日をやりすごすだけの僕が

心を許せるのは

君だけだった


君は僕のすべてだったのかもしれないね

いや

間違いなく

あの時

あの場所では

君がすべてだった
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