生きる(ということ)/ブルーベリー
 
おまえがしねばよかった
つめたいみずのそこから
電話がかかってくる
記憶はゆらゆらと
もに流されている
水面は透き通り
夏の日差しを
キラキラと
反射している

今はふゆだ

おまえがしねばよかったのに

我に返る

マイクを持った主婦が
眼鏡の奥から
俺を睨みつけている
どうしてと問われ
言葉に詰まっていた俺に
放たれた言葉は
光の速さで
あの夏に到達する

わたしがしねばよかったのに

保健室で天井を見ながら
レモン水を啜るあの夏に到達すると
その後舞台は体育館へと移り
人気者達が固まってわいわいやっていたのを
スカートの裾を掴みな
[次のページ]
戻る   Point(2)