手が汚れては本が読めない/
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真夜中の洗面台で
ぶくぶく石鹸を泡立てる
洗っても洗っても
落ちないのです
どんなにすすいでも
臭うのです
手をよく拭いて
今度こそと本を手に取る
やはり開かない
私は何をしてしまったのだろう
こんなに怒らせてしまう心当たりが
まるでない
手のひらを見つめる
匂いを嗅いでみる
塊になってしまった本の
内側は
どれほど傷ついているのだろう
私の手が
犯した罪とはなんだろう
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