俳句・習作 1/壮佑
頭痛
倦怠が成層圏から降ってきた
うっすらと頭痛呑み込むパスタかな
氷床の軋む音する頭痛かな
頭痛飛び地球を巡り海に墜つ
雨
生まれ落ちて何回目の雨の日か
雨音のなか遠ざかる人も無し
誰の忌か雨の浜辺に閉じる貝
雨だれが月の巌に響いてる
雨だれは生まれてポタリすぐに死ぬ
雨だれとじゃれるピエロのオルゴール
雨だれと振り子時計とピエロの子
雨の日や海底を這うクラーケン
雨の日に蠅がぶつかる潜望鏡
雷雲や巨大な足が都市を踏む
雨上がり海
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