ぼくの足跡/寒雪
 
膜に飛び込んで離れない
足跡だと思っていたそれは
大量の「ぼく」という言葉が
数珠繋ぎに続く無数の
自己主張の残骸


振り返って仰ぎ見て
こんなにもぼくは
たくさんの自分を
積み上げて
踏みしめて
前に向かって歩んでいた
それを思うと
次に踏み出す足が
右足だろうと
左足だろうと
両足だろうと
ジャンプだろうと
もうなんでもいい気がしてる


これから先の歩みは
とても楽しいものになるに違いない

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