透明な彼女/たちばなまこと
精いっぱい 許すことしかできない
私にも同じ青さがあった頃
崩れそうな体を固めていたのは
夢だったり
愛だったり
言葉だったり したのよ
伝えることしかできない
精いっぱい 伝えることしかできないよ
君の言う通りだ
休んでもいいのさ
大丈夫 許してくれるものはたくさんあるから
水を飲んでまた 歩いてごらん
透明な手足を伸ばして
案外世界は優しいってことを
思い出してごらんよ
ありがとうと言われる程 私はすてきでは無いけれど
透明な彼女が笑ったときの
雫を 手の平で 受けとめて 空にちりばめた
その一瞬だけは
少しだけすてきになれた気がしたよ
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