Bel Air/木立 悟
 
冬を
聴きつづけるもの


未明に重なり
撥ね返る色
波に凍る
金属の崖


青と金 黒と金
夜の淵 風の底
岩の壁を 光の終わりまで
無音のままに見下ろしている


枯れた花の踊りや踊り
淡い肉の輪にくちづけて
のばした腕の先の冬
目を守る気のないまぶたの遅さ



わたしは
わたしを狩るものに誓わせた
家族や遊びを書きはじめたら
少女の谷へ突き落とせと



草の骨を踏み
川を巡る
頭上には常に
午後がまたたく


どこにも落とされず
どこにも行けず
羽に結ばれた羽の柱が
青を散らして廻るのを見る





























戻る   Point(5)