いつか見えていたはずのなにかを失って/euyih
いつか見えていたはずのなにかを見失って
何者でもない私は
何者にもなろうとしない
乾いた空のカップと
虚無を食らい続ける秒針が
私を生きることにあきらめた私に
無限に重なる無味な瞬間を
並べてみせる
溶けたチョコレートと
眼の奥で響く痛みが
それらをおおい隠してくれる
私の見失ったものが
過去か あるいは未来から
私を見つめている
私はそれを感じても
ただ身を固くするばかりで
この足を
どこに向けたらよいのかも
一向にわからないままだ
2011 1203
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