『やわらかな四角』/あおい満月
 
ない
踏み出すことで
はじめて息をする
わたしはわたしの
望みに
息吹を吹き込みたい

求めないことを知るために
いくつもの場面が
砂のように
掴んでいった記憶が
通りすぎたけれど
かわらなければ
流れないものがある

やわらかなしかくのなかにいても
わたしはかわることが出来る
たとえば手渡すものや
かけるささやかな言葉のように


                      二〇一二年二月十四日(火)
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