冬に食べるアイスキャンディボール/
Yuuki
乾燥した指先が触るピリリとした氷の感触に
僕の神経はわずかに震えを見せる
3本の指先がオレンジを少し溶かして、
口腔内にアイスキャンディボールを押しこんだ
カランコロンと脳の遠くで鳴り響く音が
聞こえるはずのない太鼓の音と入り混じって、
目の奥に浮かぶ雪解けの結晶をつららに変える。
つららは喉を通り、切り裂くような雄たけびを凍らせ、
食道を氷雪へと変えていった。
肺の中からは星のように白いオーロラが立ち込めた。
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