印象風景20120214/うめぜき
まあるい まどがあった
まあるい ことを忘れて
さみしい暮らしをしているのだった
キャタピラをこさえたテルは涙を大切に箱にしまう
にじむ ああにじむのさ 世界が
手を広げて
抱きしめる準備をしながら 宙を跳ぶ ひととき舞う
げんじつは
いつも大きな音を立てて
まあるい まどをばりんと割るのだ
ニジは泣いている
牛乳でいっぱいに満たしたポットから溢れる湯気に
ニジは泣いている
机に腰掛けながらまるで風景に彫刻のように刻み込まれてしまった
ゆらめいている
ゆらめいている
音符にも見える
明日はまったく新しいのさと
昔聞いた流行歌の焼き増しのようだなあと
君の輪郭が思い出せない
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