開眼、ひとときの和楽/木原東子
 
Y 八歳の女子として親に質問した
「ねえ、どうして結婚したら赤ちゃんが生まれるの?」
返事はいまや失念

「ねえ、どこから赤ちゃんは生まれて来るの?」
「眠っていたからわからない」納得する

学校で生殖の理屈を知る
「ねえ、この私とは全然違うYちゃんが生まれたかもしれないんだよね」
理の当然だと思って

親が色をなしていかったこと、いまでも理解できていない



爾来地球にのっかって
危険に満ちた真空を疾走させてもらっているが

生命の由来すら薄々わかってきつつあるが
ある整った条件と期間があれば
自然発生する、
原子がアミノ酸へと結合して行くのだと

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