器官なき身体の覚書2/イリヤ
多様体の夢の本質は、おのおのの要素に対する距離を変更するということである。変化する距離は、増大することも減少することもなく相対的に不可分である。蜜蜂の大群は、しま模様のユニフォームのフットボール選手の乱闘となり、トゥアレグ族の集団に変わる。狼の群れはまた、キプリングの“狼少年”によってドゥルス族の一味に対抗し、蜜蜂の大群と合流する。キプリングは狼たちのリビドーの意味をフロイトよりも理解していた。それ自体において作用する力のなか、多様体を占める物理現象のなか、それらを内部から構成するリビドーは異なる流れに分割されることなしに、構成することはない。フロイト自身、“狼男”のうちにさまざまなリビドーの
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