彼女は笑ってた/永乃ゆち
不埒な恋もそのままに
激しく呼吸を乱してる
私の左のくすり指には
約束が強く巻き付いて
それがきつく縛り付け
指先から腐り初めてる
純粋を誓ったのも今昔
最終章が扉を開くので
そっと覗いて見たなら
あそこに居るのは誰?
年老いて病に臥せても
忘れられない恋がある
腐ったくすり指をいま
食いちぎって棄てよう
あなたの顔が見たいの
あなたの息で熱くして
純潔はいつも守られず
悪魔が天使に跨がった
そんな構図はいかが?
不埒な恋もそのままに
飛び出していく衝動に
私は決して逆らえない
つまりは単純に言えば
どんな崇高な理由
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