雨の下/やや
探す人
* * * * *
「」額縁から外す日々
生まれ以来 凍えています キシキシと鳴る
私だけずうっと見えない影の元
兄弟が私に見えないものを見る
笑うこと それ自体が言い訳で
ごめんなさいと言われる度に火が消える
わたしじゅう 軋んで傷んで ギギギギギ
下を向き 視界の端に入れる世界
嫌いにしか理由を付けることのない
意識だけ沈んで体少し浮く
まぶたうら青い小さな町がある
母親になりたかったなりたくなかった
完全に至らないのでなれない身
両肺が呼吸の仕方を忘れてく
どこにでも行けると思える嘘ならば
両腕で片腕ずつ掴む夜
私には私以外しか見えなくて
世界一 優しい雨の 下にいます
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