雨の下/やや
 
人混みでぶつかる肩々目だけが合わない


添え木して 何とか立ってる やじろべえ


蝋燭が削れる音がずっと、ずっと


眠る前バイバイと言う私の子


焦点の端でものを売る本屋


ニュアンスの衣を剥いで素揚げする


どの子等も瞳は最初は青いらしい


挨拶をすれば子供は拐われる


泣きぼくろ指でなぞると淡く光る


背骨のカーブ階段にして昇る空


真夜中の逆剥けそっと舐める猫


夏はまだ あのままでいる 白黒赤


蛍光灯毛穴を塞ぐ石灰じみて


夏日の真下落ちた蜜蜂点点と


朝焼けに言い訳ばかり探す
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