プレーンな日々の秘法/within
 
切りの所産。
留まらぬ旅人を引き止めることは叶わぬ。
それよりも自ら
安住の住処を捨てよ。温もりを
捨てねばならない
ときが来る。それは近くも
遠くもなく、ある日
割り込んでくるのだから。


半ば捨て鉢で、いや、
捨て切って、
欲を絶つ、3日前。
美しさの欠片もなく
身近な人たちを
呪いだす。
腹が減り、身悶え
ながら、解き放つ自我。欲の塊と
成り果てるのか、と問う
までもなく飯を
炊く。如何に謀ろうと
取り繕おうとも
全て
中断。隙間から覗くのは、子供たち。
食事をとる子供たち。
狂ったのは
己のみ。子供ではない己のみ。
嘔吐する。それは全
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