とりあえず全部なくすことにした/こめ
体が溶ける謎は説けぬ
君は去った街に残るのは
涙の水溜まり
途切れなく続いている毎日
心の端の方では落ち着くらしい
ほどけなくなった靴紐には
最終的にハサミの刃をあてる
コップにはいっている濁った水からは
気色が悪い目玉が二つ光っていた
明日はどんなことが起こるなんてことは
そんなことはしるはずもない
北から流れて南の方へ
ただ舞ながら移動するのは
北風小僧の勘太郎だろうか
トンネル抜けたらなれるのだろうか魔法使い
妖精は今日も悪戯ばかりして
人を困らせる
最終形態のその先はどんなことになるだろうか
きっと予想の斜め上を言ってくれるに違いない
時代が着いてこれなくなった僕は
いつも先走っては実体のない物を得ていた
両手からでるのは栄光か虚妄か
とりあえず全部なくすことにした
戻る 編 削 Point(11)