手紙/
根岸 薫
耳が動いて
ふゆの知らせ
どこもかしこも
なんの匂いもない
白い犬並んで
黒い犬と並んで
でかけながら
遠ざかる 町
みどりの橋のほうで
あるく人はどこへ
しるしを付けて
おわる時まで
服を着るときだけ
ろうそくのともしび
てがみすべて埋める
わらいながら運ぶよ
よんでいます
風のふく穴から
花が咲くから
みんな行くんだね
たてものの中にも
雪が降るよ 走ろう
あさのうたに
誰も浮かんで
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