彼らの名前/
 


寒いのに雨まで振りはじめる。





二年前に捨てた猫たちの事を思い出す。

どうにもできなかった、と言ったなら

私も誰も私を責めたりなんかしない。




目の前で息絶える小さな体

何度も小さい声で息をする

たくさんの猫が死んだんだ。



わたしは腐った人間野郎だ。

どうか私を呪ってね。





病名もわからない。ただただ

目の前で息絶えて行く彼女は

最後までしっかりと息をしていた。




どうか消えないで欲しい。

わたしは忘れない。

ごめんなさい。





雨がザーザー音を立てる。

猫が車の下で丸まっていた。







戻る   Point(1)