このわたしを超えていくもの 2012/たま
み
歌人は息をはくように歌を詠む
それはまるで
日々、やすむことなく
遺書を書きつづけているようなものだから
いつ、いのちを閉じても悔いはないと
いいきることができるだろう
一年の半分は詩を編んでくらしているけど
それはもう日常に癒着しているから
多いとも少ないともおもわない
ただひたすら
一字一句すくいとっては編むことに没頭している
でも、詩を読むことも
たいせつなしごとなんだとおもう
ふしぎなことに
詩を編む力と、詩を読む力はひとしいから
読む力をおろそかにはできない
もうひとつ、読まなければいけない理由は
このわたしを超えていくものに
出逢いたいから
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