このわたしを超えていくもの 2012/たま
短歌を超える詩が、あってもいい
詩を超える短歌が、あってもいい
詩人も、歌人も夜はおなじ寝床で肌をよせあって
眠るのだとおもう
今日はもうなにも書けなくて
はやくお風呂にはいってあしたにしよう、なんて
のんきにかまえているけど
あいにく、このわたしに詩心はなくて
あるのはあさましい恋心だけなんだとおもう
歌が先なのか、恋が先なのか
それさえわからなくなるほど恋をしては
詩を編んで
歌をうたってきたけれど
なぜか、恋はいつも他人でしかなくて
体温をなくした歌だけがのこってしまった
とおざかる女たちはいつまでも美しいというのに
詩人は歩くように詩を編み
[次のページ]
戻る 編 削 Point(47)