夜の通勤急行列車/
灰泥軽茶
れたようにあちこちペコペコしている
あぁきっとこのまま取り残されて
時の流れに身をまかせ何十年も同じように
どうしてここに取り残されたのかもわからず
捨てられたセルロイド製の人形のように
妙に生々しく虚空を眺めているのだろうか
窓に映る皆の姿はいつのまにかにどこかに行ってしまい
空っぽののっぺりとしたフカフカの座席が横たわっている
列車の中には人が溢れているけれど
戻る
編
削
Point
(8)