夜の通勤急行列車/灰泥軽茶
 
れたようにあちこちペコペコしている

あぁきっとこのまま取り残されて

時の流れに身をまかせ何十年も同じように

どうしてここに取り残されたのかもわからず

捨てられたセルロイド製の人形のように

妙に生々しく虚空を眺めているのだろうか

窓に映る皆の姿はいつのまにかにどこかに行ってしまい

空っぽののっぺりとしたフカフカの座席が横たわっている

列車の中には人が溢れているけれど


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