習作/ズー
 

本当は時間がないなんて嘘なんです。ごめんなさい。謝っても謝りきれない君に告げなきゃならない、潮時ってやつが鉄筋コンクリートで積み木した私たちの街にも訪れたのです。ほんとかな?君は今、洋モクを消し潰した指に残留する温度がえいえんでないのと同じようにそう考えはじめたはずです。だけども聞いて下さい。ぶっちゃけます。私は誰でも飲める水になりたいんです。円や三角を読むのと変わりないメーカーのラベルが巻かれたのじゃなく自意識過剰な母親のこどもでも手にとれる飲料水になりたいんです。雨風に強い住宅を建てた、何の不安もなく口にできる食品をお届けできた、欠伸もでない日々を他人の欠伸で補うことをおすすめする電波塔を
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