NATURAL COLOR/アルビノ
 


        舞い散る雪はどれも均等に白く
        ぼくの体温を盗むほど 冷たい

        吐く息は白くて、
        ぼくを付けてくる足跡すら白い
        白銀の世界だなんてよく言ったもので、
        あんまり綺麗な世界に
        うんざりした

        美しい世界は音を閉じこめて
        ぼくを独りにする





        美しくも醜くもないぼくには
        何の形容詞もない
        言葉はいつも、ほんの少し足りなくできている


        伸ばしたままの爪で
        皮を剥いで、肉を削げば
        真っ白なガイコツのぼくが居る

        もしかしたらこの美意識すら
        先に生きた知識人が置いていったものかもしれない
        つまらない結論に舌打ちする



        靴先を立てて黒いコンクリートを掘り出した




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