反転した世界ーーー夢/yamadahifumi
 
を。・・・それはこの世界は失敗作だ、という事だ。それも途方もない失敗作だ。下から数えた方がはるかに早く君達の世界にたどり着く。・・・だが、そう。その下にも「無数に」失敗作はある。君達は「一番の失敗作だ!」とうぬぼれることすら許されていない」
 「どうしてそういう事を僕に言おうとしたんですか?」
 と僕は聞いた。
 「・・・それはね、こういう事だよ。私にも同情はある。同情というものは、私達の世界にもあるのだよ・・・君は私の若い頃に似ている。だから、この事を君にふと言おうと思った訳だ。・・・そしてこれは本来やってはいけないこと、規約違反なのだが(我々の世界にも規約というものはあってね)、まあ、私
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