反転した世界ーーー夢/yamadahifumi
 
う世界もあるのだが。・・・だがその世界は君達の世界よりももっとマシなのだよ。・・・まあ、この話はまた今度にしよう。「今度」があれば、の話だが。・・・君は目覚めてしまえば、全てを忘れる。そして全てを忘れたからこそ残ってものが今日からの君を変えるだろう・・・君は決然と破滅に向かっていくだろう・・・それじゃあね!」
 そう言って男は「消えよう」とした。(僕には何故だかそれが感じられた。)僕は一つ心残りがあったので、慌てて男を呼び止めた。
 「待ってください!」
 「なんだね?もう時間がないよ!」
 男は既に半分消えかかっていた。
 「あなたは「僕」なんでしょうか?」
 ・・・男はニヤッと笑ってそのまま消えた。


 ・・・・・・・目が覚めると全ては元通りだった。僕は歯を磨いて、母の作ったトーストをかじってから学校に登校した。昨日見た夢の事はすっかり忘れていた。
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