空洞/
そらの珊瑚
ぽっかりあいた
空洞は
ただ ひたすらに
まっている
「おかえりなさい」と
言う時を
夜の孤独は
しんしんと冷え
柱時計が時を刻む
ぽっかりあいた
スリッパの
空洞の悲しみを
誰も知らない
この世の全てのものごとにある
空洞の悲しみを
誰も知らない
知らずに生きて
「ただいま」と言う
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