109/梅昆布茶
 
ひさしぶりの渋谷文化村通りを歩く

フェルメールに会いに行くのだ

ハチ公前で待ち合わせて雑踏に紛れる

風は冷たくて肌に突き刺さる

沢山の愛や希望が行き交う街で怪しいふたりは浮いているし

109はナマ足のギャルたちが寒々しい


スクランブル交差点のうえにひろがる空は

屈折していた30年前のままだった

道玄坂のジャズ喫茶が青春だったあの頃

生きる目的を模索していた

清志郎が好きでジャンジャンにも行ったしバイクが恋人だった


いまだ心はさ迷っているが懐かしい時代

ミュージアムはあたたかくてフェルメールやオランダの画家達の


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