来るべき冬/komasen333
 
普段は意識さえもせぬその季節
迫るときには狂おしいほどの現実感を伴って



唐突に 緩やかに   訪れる春寒は
唐突に 緩やかに   迎える春寒は   

 
個別的に夜霧  個別的に燈る   





ときにそれは
不人称の風となって
この聴覚に漠然とした抽象度で寄せては程なく返っていく



ときにそれは
3人称の風となって
この嗅覚を個別的で不可知な地平からうっすらとくすぐっていく



ときにそれは
2人称の風となって
この鼓動にその個別的な概念を感情的に色濃く滲ませる





適度に
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