自由と愚者と風と/ただのみきや
にはまり
電線にひっかかり
自分を天まで運んでくれるはずだった
風に翻弄され
ボロボロに破れながら
暗闇を転がって行く
そして自らの運命を呪う
信じていないと豪語していた
神のせいにしながら
それでも
自分は知っていると
自分は見えていると
口先を鋭くして言い続けるのだが
その声はもはや
破れた心の風穴を
無感覚の世界から吹いてくる
冷たく乾いた風が通り抜ける音に過ぎず
やがて 沈黙
自由とは
どんな法則よりも 尊く
厳粛な 掟である
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