アンダートーン/ホロウ・シカエルボク
 
踏むような音を立てて崩れ、視界は霞み、今夜、命は蜃気楼だ、本当とは違うところにあるなにかだ、ああ、血よ吹け、吹き上がれ、一枚の絵になれ、永遠になれ…本当の喪失はことさらになにかを奪ったりはしない、それはただ無くなってゆくだけさ、氷が溶けて水になって蒸発するように、ひととき流れた歌の残響がほどなくメロディのあとを追ってゆくみたいに…!





肉体から逃れられればそここそが天国だ
生きながら求めるものなどなにもなかった





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