誕生する/
砂木
ように感じでいたのだ
そしてふと 思い出したのは
甥が生まれた二十年前の病院で
無事に生まれたと喜んでいたすぐ近くの病室で
死産だったと 聞いた赤ちゃんが居た事
生まれてすぐ 力尽きた子もいた事
問うも問わないもない
生は死と 決まっていても
尽きない力 それは情け
どうする事でもない
情けという祈りにすがるよりほかない
おすそ分けに貰った赤飯は暖かい
食べて 泣いて 食べる
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