退色未遂(Remix)/nm6
くアンダー・ザ・サン。
錆び付いたきみは今夜も落雷のようにあらわれて、ぼくのくちびる噛んでさよなら。
いつしか、新しい温度がやってくる。角砂糖のように溶けきれぬままぼくは家路へとつき、気がつけば次の朝を迎えている。青空が破られた約束のように光で固めた白い時間をカリンカリンと砕いている。水になって山に住めばぼくらはあのまま、片隅で体操座りをして横断歩道で沈黙していたかもしれない。「早いよ、早いよ」と、遠い声。再度、ぐらぐらを再度。彩度消えていくヒルサイド。張り付いた停止線に「さあここからがはじまりです、冬の」。言い返される「越えれば?」。行きつ戻りつの尻込みをループして、ぼくらはどうして未遂のままだ。
村枯れてなおも帰らぬひとを待つ、レンゲ畑の蜘蛛の巣の蝶。
世界の果ては、歩いて二歩だ。
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