言葉の槍 /服部 剛
 
どうして私はすぐに 
一つの道から 
足を踏み外してしまうのだろう 

怒れば人と、ぎくしゃくする。 
しょげれば言葉の槍が、飛んでくる。 

強さと弱さの狭間で私は一体 
どんな姿で立っていればいいだろう? 

もう一度、もう一度 
自らの信じるひとすじの道に戻ろう 

何処からかふいに 
言葉の槍が飛んできたら 
胸に刺さったそれを抜き 
血液の滴る槍を、唇を噛み締めながら 
思い切り、投げ返そう―― 

目の前の敵ではなく 
頭上の寛い空へ 







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