幸福/nonya
ルのDVDを見ながら目を潤ませる
たくさんの人に
光を与える太陽のような人に
あこがれてしまうけれど
たくさんの人を
そっと見守る月のような人に
ときめいてしまうけれど
僕は選ばれた人ではないから
勇者でも救世主でもないから
できるだけ背伸びなんてしないで
小さな灯火を大事そうに抱えて歩く
別に笑われたってかまわない
そんなものだといつも思っている
でもそんな僕にも
簡単に宇宙人にさらわれてしまう前に
涙を流してくれるかもしれない君に
言わなければならないことはある
何をしてきたのか
何をしてこなかったのか
声高に責め立てたりしない
ささやかな冬の陽射しのような
君が好きだ
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