不思議な手 /服部 剛
 
主よ、私は凡人ゆえに 
敵を愛することができません 

私の内側にいる(もうひとりの人)が 
棘ついた人の心さえ、まぼろしの両手で
そっと包みますように―― 

私は自らを信じられぬ、夜がある 
私はどんな夜も信じられる、不思議な手がある 






 
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