題「僕の詩」/神木♪龍
 
この手がどう生成され、
動かせるまでに至ったかを
僕は知らない。

この脳がどう出来て
発達し
僕専用になったかを
僕は知らない。


なにもわからない中で
唯一確かなことは
僕の脳から指令を受けて
僕の手は
なんの考えもなしに詩を書く。


なにも考えない僕の手とは裏腹に
僕の手は紙の上でペンを握りせわしなく動き続ける。


僕の脳からの指令で
僕の足は体を前に運び、
僕の耳は音を感知し、
僕の目は光をとらえ、
僕の鼻はにおいを感じ、
僕の手は詩を描く。


そして
得体の知れない
僕の心臓で
生命を紡ぐ。




全部僕の。


でも
僕自身はどこにあるんだろう。


この僕の詩の中では見つけられないみたい。
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