あったかで大好きでさわれないもの/梅昆布茶
 
校庭に響くチャイムが空にまいあがってゆく

ぼくは思いっきりボールをけってはしる

ボールはぼくの意志のように草むらにとまる


ねころんで見上げるとぼくが世界の中心になった

大地はコンサートホールで風はソネット


ぼくにできないことなんてないんだって思えた

犬も飼えたしふるいけれどグローブだってもっているし


ぼくにできないことなんてないんだって思えた

あったかで柔らかで大好きなきみに触れること以外はね

風がゆるんで空が笑った







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