虫の女/salco
ああ
それはあなたを思い過ぎて変わり果てた私の姿
月光も凍てつく森で
樹液すするあたしは虫の女
〜 パンク蛹化の女 戸川純
滑久慈爛子のゑいせい日誌 より
十月十八日
嘆くのは止したわ。
総ての鏡を割ってしまえば、それは顔を剥いだのと同じ。
あたくしに既う、顔は無い。
左手首のガングリオン。尺骨の突起を二つ重ねたよう。
貴方があの夜、強く握ったからよ。「付き纏うな」と云った、穢らわしい
賤奴の貴方。
針を刺して押し出せばたちどころに消える。
かかりつけの先生は仰ったけれど、薄い嚢に包まれた、透
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