彼とぼく/
アルビノ
ぼくの20歳年上の友達は
ぼくによく似てる
独りぼっちで、愛を知らない
彼はぼくとは違う
中身じゃなくてね、見た目
彼の両腕は退化してしまって
胴体にぴたりとくっついて離れない
誰とも手を繋がなかったからだ
誰のことも愛情を持って触れられなかったからだ
彼とぼくはよく似てる
秒針が刻む音に怯えて、
袖に隠した両手をグーパーさせてみた
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