散在/徘徊メガネ
 
いくら待ってもその時は来ない

どこまで歩いても空は終わらない

誰も迎えに来ない疑似逃避行

回復を図って腰を下ろすが

いくら待ってもその時は来ない

道すがら拾った意志だった
思い入れはまだない

道すがら捨てた吸殻だった
「DNA鑑定で私を見付け出して」と書き置きを添えて

押し殺された人波
追い込まれた鞄の中
轢死した雪だるま
一時 私は十字架の真似をして逃げた

わかばの空箱
人目につかない様に屑籠へ投げ

若き日の思い出
あの死んだ目もきっと覚えてる なんて

いくら待ってもその時は来ない

どこまで歩いても空は終わらない

誰も迎えに来ない疑似逃避行

回復を図って腰を下ろすが

いくら待ってもその時は来ない
 
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