謎の美の女/ヨルノテガム
 





 手とベッドがあり
 熱帯の尖った赤い花に口づける鳥の声は
 小さな吐息よ羽の揺らぎ

 *

 コタツに蜜柑に長い睫毛
 青い紺のセーターと花模様のスカート
 両膝を立てた素足に残る幼さに
 布一枚向こうへ花弁の陰は
 歩調を恒久に続かせる、季節。

 *

 地球のこと、全て知っている顔。
 もう半分顔は、「アナタ地球のこと
 全然知らないんじゃないの?
 教えてやろうかしら、」という顔おもて。
 右左の顔の目線はどうにも合わない
 女の視界に入るように「好きだ」を
 伝えることで今日という日の地点から
 数式の図形は観測し始めるの
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